土地管理

隣地の取得(1)

「隣地は倍出しても買え!」と耳にする事がありますが、私にはプロジェクト開始当初から「倍の金額」を支払っても手に入れたい土地がありました。

その土地は私が所有するカフェ建設予定地の東側に隣接する土地で、私の土地から見て一段低い場所に位置しています。元々は農地付きの中古住宅として売りに出されていたのですが、購入者が畑をしないという事で売れ残っている土地でした。

土地の形状は細長く、車で入れる道に面していない為、誰も好んで取得するような土地ではないのは当然でしょう。

しかし、私からすればそこは隣接地。せっかく所有地が高台になっていて見晴らしが良くても、すぐ下の土地が荒れ果てていたら勿体ないです。それよりは、高低差を活かして斜面に木花を植え、下の土地も花壇や畑にして綺麗にしているとカフェの見栄えも良くなるでしょう。そして細い通路ですが道に接する面積が増えると既存土地の利用価値も増えると思います。

交渉

土地所有者は現在は隣の県に住んでいるとの事なので、近くに住んでいる所有者の親戚にコンタクトするところから始めます。突然のお宅訪問で少し警戒している様に見えましたが、話が呑み込めてから直ぐに所有者に電話をしてくれました。

電話口で土地購入の意思を伝えると相手も了承してくれたので、その日は電話を切り、日を改めて価格交渉の電話を掛けます。

すると、この土地はまだ不動産会社で頼んでいる土地なので、不動産会社を通してやり取りをしたいとの申し出がありました。私としては手数料を節約したいので直接取り引きしたかったのですが、所有者の申し出なので断れません。

そして後日、不動産会社に赴きようやく価格交渉の開始です。こちらの提示価格は15万円。土地の面積が約100坪ぐらいなので1500円/坪ぐらいとなります。それに対して先方の提示価格は50万円。私の提示がかなり低めですが、先方もこちらの購買意欲を察してか強気の価格設定です。

安くてでも手放したいと思っているのではないと分かったので、不動産会社に30万円なら出しても良いと伝えて事務所を後にします。

数日経って不動産会社から電話があり、売り主は40万円まで価格を下げたと聞かされました。こちらの想定価格を少し上回っていますが、重要地であるのでその価格で承諾する事にしました。

3条申請

通常の土地ならばこれで売買契約を結んで登記に進むのですが、この土地は農地である為、権利移動の際には登記の前に農業委員会の許可が必要です。この事は農地法第3条に規定されていることから、この許可を得る為の申請は3条申請と呼ばれています。

農地法第3条には下限面積要件と呼ばれ、一定面積を持って農業を行っている者にしか農地を取得させないという規定があり、非農業従事者が自由に農地を取得出来ないような法令があります。その下限面積は北海道を除く都府県は50a (5000m2)以上が原則となっていますが、地域によっては10a(1000m2)以上で設定可能であり、管轄の農業委員会に確認する必要があります。

幸い私は平均の農業規模が小さい地域にいるので、10a以上で設定が可能である事が判明しました。とは言っても、農地など所有していない私にとっては障壁である事に変わりません。しかし、実はこの下限面積には借地も含まれるという事が分かり雲間から光が見えてきました。私は今年から約1500m2の田を借りて米作りをしているのでこの土地を計上すれば上記の要件を満たします。しかし、実状では口約束で借りているだけなので、借地の利用権設定を行い、公式に農業従事者である事を証明する必要があります。

借りている田んぼの所有者に事情を説明して了承を得れたので、地域の農業委員会に赴き、説明を受けてから申請用紙を貰います。受けた説明通りに申請用紙を記入して提出しますが、農業委員会の審議が月1回なのでここで少し待ちが入ります。

許可申請の流れで現地確認が行われると説明されていましたが、申請から3週間程たって職員さんが現地に来られました。面識のある職員さんだったので、「審議はどうなりますかね?」と訊ねたら「これまでに審議で却下された申請はないので心配ないです」と教えてくれました。どうやら問題がありそうな土地は受理の段階で引っ掛かるので、後はステップを踏んで承認されていくだけなのでしょう。

そして審議の日。夕方に偶然田んぼで地元の農業委員の人にあったので、審議について聞いてみると、問題なく通ってたよと教えてくれました。一か月ほど待つ事になりましたが、これでやっと土地代の支払いを済まして登記に移る事が出来ます。2日後には所有権移転の許可書を受け取り、不動産会社にその旨を伝えます。

土地取得

登記に必要な書類が揃ったので、買い手・売り手・不動産会社・司法書士が集まり、挨拶も早々に決済を済ませます。支払金額も不動産取引にしては多くないの全て現金払いですが、そのせいもあってか、支払いの時はみんなの顔が商人(あきんど)のように見えます。売り主も不動産会社も売れ残っていた物件が片付いてホッとしているのでしょう。売買契約によって成立した取り引きが決済により幕を閉じます。今回は司法書士を雇っているので後は全てお任せで問題ないでしょう。

支払金額は合計473,600円で、詳細は以下の通りです。

  • 売買代金 – 400,000円
  • 契約印紙代 – 200円
  • 仲介手数料 – 22,000円
  • 司法書士手数料 – 51,400円

決済の4日後には書留便で登記情報識別通知が届きました。自分で登記申請をした時には法務局での手続きに14日かかったのに、さすがに司法書士の申請だと処理も早いなという印象を受けました。

何はともあれ生まれて初めての不動産購入が終わり、このプロジェクトにとって重要な隣地を取得する事が出来ました。今回取得した土地は二筆からなる計128坪(422m2)の土地で、今後は半分を花壇に残りの半分を畑に開墾していく予定です。

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