竹やぶ

竹やぶ整備(5)~蟷螂~

蟷螂之斧

[読み]とうろうの-おの

≪カマキリが前足を上げて、馬車の進行を止めようとした中国の故事から≫ 弱者が自分の力量をわきまえず、強者に立ち向かうことのたとえ。

竹やぶ貫通

10月になって漸く残暑と言えるぐらいの暑さになりました。蚊の数も前回から比べるとかなり減っており、やっと快適に竹伐りが出来る季節になってきました。

9月の伐採で竹やぶの中央部が伐られ、竹に囲まれた秘密基地の様なスペースが出来ています。今回はこのまま南に伐り進めて土地の反対側まで貫通させようと思います。この伐採方法を「帯状間伐」と言いますが、南北の伐採済みスペースが繋がる事により、これまで一方向にしか倒せなかった竹が二方向どちらにも倒せれるようになります。これにより掛かり木(倒れた木が他の木に引っ掛かる事)が起こりにくくなり、大幅に効率を上げる事が出来ます。この他にも、伐採した竹の運搬がしやすくなるなどメリットが多く、進捗を実感出来るなどモチベーションアップにも繋がるので、おすすめの方法です。

土地の北側から南を向いて撮った、達成感あふれる一枚です。

井戸

この土地には古くから井戸が有ったと聞かされていましたが、もう長い間使っていないので涸れ井戸になっていないかを確認します。

井戸周辺の竹を伐採していくと、鉄板や石などで蓋をした井戸が出てきました。

元々は石で出来た立派な井筒が付いていたのですが、父親が家を建てた際に持って行き、今でも実家の庭に据えられています。(ダメ元で聞いてみましたが、やはり返してはもらえませんでした。)

さて、気を付けながら鉄の蓋を持ち上げて井戸の中を覗きます。井戸の奥は暗く水が見えないので小石を落としてみます。すると「ポチャーン」と響く水の音が聞こえました。水位が低いのでしょうか、音源との距離が有った様に感じました。しかし、井戸の中を反響して出て来たその音は、透き通った綺麗な水を想像させるほど清らかな音でした。そして、水の存在を確認した私は満足して鉄の蓋を元に戻しました。

もう一つの結末

さて、冒頭に出て来たカマキリの結末ですが、馬車に挑みかかった末に車輪に轢かれて死んでしまいます。この事から、自分の身の程をわきまえて、無茶な行動は慎みましょうという寓話として伝わっています(荘子・人間篇)。

しかしこのカマキリですが、実は別の古典にも登場しており、上述の故事とは異なった結末で描かれています。

斉の国の君主である荘公は、自分が乗った馬車の車輪に打ちかかろうとした虫の事を従者に訊ねます。従者は「前に進むだけで、退くことを知らない。自分の力量を見ずに、相手を軽く見る虫である」と答えました。それを聞いた荘公は「此れ人たらば必ず天下の勇武と為らん」と言い、カマキリを殺さずに避けて通り過ぎました(淮南子・人間訓)。

このカマキリは愚者か勇者か、その結末はいずれであれ、竹やぶに立ち向かう自分をカマキリに重ね合わせて、満足する進捗と共にこの日の作業を終えました。

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